自分がどこまで分かっていて何を分かっていないのか探るための試し書き

瞬間的に全細胞が入れ替わってしまうほどの刺激や衝撃というのは、外からの力よりも内からの力がほんの少しでも勝った時に起こると思う。内からの力が弱い時に、いくら外から力を加えても無駄な気がする。少なくとも私の身体ではそう。 生命とは、動きである…

噴水

ワルシャワのサスキ公園に、大きな噴水がある。噴水目当てで行ったわけではなく、単に(公園気持ちよさそうだな~)とふらっと入ったら、立派な噴水があったというだけ。そんなに長時間いるつもりはなかったのに、やけに惹かれてしまい、しばらくボーッと水…

周防大島物語

ある、海と山に挟まれた小さな町に、翁が住んでいた。ある日、遠くから孫とその母親が遊びに来たので、一緒に海へ行くことにした。孫はもうすぐ2歳になる。 孫と並んで歩いていたが、母親を求めて引き返してしまった。後ろ姿をたしかに見たと思ったが、孫は…

今、好きだということ

その人が生きているうちは、その人の制作したものよりも、その人の存在や生の形そのものに興味がわくし、知りたいと思う。亡くなってしまったら、仕方なく生前のそれを追い求めるようにして、制作したものを見たり聞いたりするのかもしれない。 私が好奇心を…

アウシュヴィッツ=ビルケナウ

ビルケナウは広かった。あまりにも広かった。果てしなかった。こんなに開けた空と平地は、未だかつて見たことがなかった。やけに殺風景だけど、平穏で静かな場所だった。太陽が熱かった。 ホロコーストは、幼い私の中で生まれたモンスターのようなもので、細…

吉本隆明の心像論

留学中に精神的におかしくなって強制帰国させられたのは、もう8年も前のことになる。帰国してからさらにひどくなって、一時は自宅に監禁状態だった。隔離病棟に入院レベルだったと思うけど、親が何とか自宅で療養させたいと頑張ってくれた。その頃、自分の脳…

安定=静止ではない。動き続けること。

京都賞シンポジウムにて、生命の細胞内で起こっている現象について、ミクロのスケールの説明を聞くことができた。登壇者は福岡伸一、森和俊、長田重一、大隅良典(敬称略)。ノーベル賞級の研究は、素人の私にも大変な刺激を与えてくれた。 共通して設けられ…

「言葉の力」を誤解していたかもしれない

言葉に文法的正しさはつきものだけど、文法的に正しい言葉を使うかどうかも結局は使う人に委ねられている。私がこれまでずっとずっとこだわり続けて生きてきた「言葉」って何なんだろうと根本的に考え直しているここ数日。 いくら自分が最高で完璧な言葉を使…

死刑制度に反対の理由

2年くらい前まで、私は死刑賛成派だった。賛成派の意見はもっともだと思うものが多くて、自分の中に反対する理由が見つからなかった。でもある日突然(これは本当に、何月何日何時何分、と特定できるレベルで“ある日突然”)「あぁ、生きてちゃいけない人、死…

巣立ちと子育て

ツバメがだいぶ大きくなっていた。狭そう。 体の成長に合わせて巣も大きくしちゃったらきっと居心地悪くならなくて巣立ちはもう少し遅くなるだろうから、生物が子どもに早く一人前になってほしかったら、親はあまり寛容すぎてもダメなのかも、と思った。もう…

いつやるか?今でしょ。いやほんと、今なんだよ。

今やろうとするとものすごい時間とお金がかかることを、将来は技術が発展して簡単にできるようになる、そんな時代が来る。あと5年先?10年先?わからないけど、きっと来る。だからといって、今コストをかけてやることが無駄というわけではない。今の自分がや…

オリジナル

物語でも思想でも、そのほとんどは何百年も前に「型」ができあがっていて(物語であれば神話や民話、シェイクスピアなど)、本当に大きな型をオリジナルで作り出せる人はそうそういない。一見オリジナルでも、大抵の映像や言葉は細かい型のつぎはぎのような…

アメとムシ

先日、飴が3つだけ残った菓子鉢の中で死んでいた虫。ひっくり返って死んでいたのを、そっとつまんで上下だけ元に戻してみたら、図らずも綺麗に立ったので、ずっと見てしまった。

デジタルネイチャー

落合陽一『デジタルネイチャー』をあれから2度読んで、とにかく肝だと思った部分は、まえがきの「デジタルの自然がもたらす生態系の中で、僕の意識は一人称と三人称の間を往復し、身体は思考機械と移動機械を架橋している」のところ。デジタルネイチャーが実…

時間の正体(あるとすれば)

九鬼周造 時間論 他二篇 (岩波文庫)を読みながら考える。 仏教の輪廻の考え方だと、時間は円の形で捉えられて、そこを魂がぐるぐる回り続ける。永遠とか無限とかが現れる。ここから解脱するためには、知性で時間そのものを否定するか、武士道という力技で時…

隔離シェルター

落合陽一『デジタルネイチャー』を読み始めたら猛烈な違和感に襲われた。その違和感の正体はまだぼんやりしていて言葉にできないんだけど、「この本に書いてあることに無条件に共感したり賛同したりしたらダメだ」 と自分のどこかが叫んでいる感じ。美味しく…

フォロワーはいらないし、フォロワーになってもいけない。

この人すごい、面白い、憧れる、もっと知りたい……という思いは、関係を築くきっかけになるから否定はしないけど、それをずっと持ち続けたままいても、その人との関係性が主従関係みたいなまま固定されてしまう。自分と相手をつなぐものが矢印のまま固定され…

時間の形

このところ、電車に乗りながら、お風呂につかりながら、ご飯を食べながら、ひたすら時間について考えている。 時計が刻んでいる時間は「正しい」時間というわけではない。確かに「基準」ではあるけど、人間が社会生活を営む上で必要になって便宜的に定めたに…

楽しかった日に余韻に浸りながらいつも考えること

覚えておかなくてはいけないことは、自分の周りの人たちに優劣はないということ。だいたい、Aさんに会った日はAさんが一番になるし、Bさんに会った日はBさんが一番になる。会っている当の自分自身が日によって別人なのだから当たり前のことというか、そもそ…

プチワイルド

今日は職場近くの公園へ、小学生と遊びに行った。気づいたら虫採りに夢中。私も久しぶりに草むらに入り、蚊に刺されながらバッタやカマキリを捕まえた。 まぁ割と小さいのしかいない場所だったんだけど、突然ヒョイと大きなバッタが出てきて(大人の人差し指…

ホロコーストが好きと言うと語弊があるけれども

私が中学生くらいからずっとホロコーストに興味を持ち続けている理由が、自分でもよくわかってなかったんだけど、「普通の場所」(≒生)と「死に限りなく近い場所」(≒死)が紙一重にあるというその異常さ(だけど本当は異常ではなく誰にでもあてはまること…

書かれるべきことがないのに書きたい気持ちはある

何か書きたいという気持ちはあって、一応1000文字以上のかたまりはできるんだけど、読み返すとすんごいアホっぽくて削除。ということをこの1週間で3回くらい繰り返している。自分の詰めの甘さが丸見えで恥ずかしい。下書きにも保存しておきたくないくらい。 …

世界を分ける

福岡伸一 世界は分けてもわからない (講談社現代新書) の中に、「世界は“流れ”であって、それを分けようとすると一部を切り取ることになり、その分け目である“プラスα”が生まれる。世界(流れ)が止まる」というようなことが書いてあった。本来、世界は分か…

ついでにこれも美しかった

紫陽花がわずかに青を帯びはじめた。小さな蕾の中で起こっているであろうワンダーに思いを馳せる。 自分の視点を止めて初めて、蟻が動いているのに気づく。蟻が2匹とも表に出てくるまで、しばらくスマホを構えて待機。

あまりにも美しかったので

ズッキーニの切り口から滲み出る水。 フライパンを火にかけていたのを忘れて夢中で撮影していたら、思い切り空焚きしてしまい、白い煙が出た。 こういう写真はスマホだと限界を感じる。

オン オフ

ここ半年くらいで感じたことだけど、健全で心地よい人間関係って、やっぱりインターネット上では築くの難しくて、直接会わないと無理じゃないかと思う。私自身の問題なのかな。もう最近はネット上でどんなに面白い人が何を言ってようがほとんど引っかからな…

レディ・プレイヤー1

映画『レディ・プレイヤー1』を観て、現実とバーチャルの境を見失わないことが知性とか教養とかいうものなのかなと、ふと思った。あるいは、どちらかに固執しない柔軟性というか。今(2018年)はまだそうだと言える。 どんなに精巧に作られていても、バーチ…

五感

最近は「五感」がとても疑わしい。5という数字は、人間の感覚の数というよりメジャーな感覚器官の数に過ぎないのではないか。考えるヒントをもらった本は2冊。 ミシェル・セール 五感〈新装版〉 (叢書・ウニベルシタス) ステファノ・マンクーゾ 植物は〈知性…

時間は形になって初めて感じられるのか

三中信宏『思考の体系学』を読んでいる。 紙の上に書くと、体系分類も系統樹も同じ二次元になるが、三次元で考えると、体系分類は横の広がり、系統樹は縦の広がりになることに気づいた。 木(樹)の形を考えると、時間は確かに存在するように思えるし、時計…

平和とは

電車の中で、日本人とアメリカ人がほぼ初めましての感じで英語で喋っていたのを聞いていた。話題は、初期段階のジャパニーズ国際交流あるある「日本語と英語の違い」「日本語の難しいところ」だった。具体的には「日本語のオノマトペは外国人には難しい」「…