物語はその日のうちに

人間が人間として自然に生きることを考えています

極限状態

多大な影響を受けた映画『レヴェナント』を3年ぶりに再鑑賞した。変わらず良かった。

トム・ハンクス主演の『キャスト・アウェイ』を観た時にも考えたけど、自分がもしああいう極限状態に置かれたらどうなるのか。どこまで生きられるかというより、どこまで「生きたい」と思うのか。すぐに諦めて死んでいくモードに入るのか、いけるとこまでいってみようとして頑張るのか(頑張っても今の身体だったらすぐ死にそうだけど)。

ディカプリオもトムハンクスも、大切な人のために頑張っている。その人がいなかったらあんなに頑張って生き延びようとしないんじゃないか。今の私には、そこまで思えるほどの人がいるのか。

生命力が強いというとポジティブなイメージだけど、つまりそれは生への執着心が強いということで、果たしてそこまで粘る価値があるのか。「どうせ死ぬならどこまで生きられるのかやってみよう」というゲーム感覚ならまだ分かる。「死にたくない」はよく分からない。

 

何を考えても想像しても、結局は「いざその時にならないと分からない」んだけど、じゃあいざという時まで考えなくていいのかというと、そうじゃない気がする。来るか来ないか分からない「いざという時」を想像することは、現在の自分を積極的に更新していくことだ。可動域を広げることだ。生まれ直して生き直す、みたいな感覚。

「今の自分のまま」のイフを考えても意味がない。絶対に今の自分のままということはありえないから。この遊びの醍醐味は、「どういう自分が現れるのか」をこれでもかというくらい具体的に考えること。それで普段の感じに戻ると、景色が全然違って見える。楽しい。

無人島にひとつだけ何か持って行くとしたら?というよくある質問の答えも、突き詰めていくと楽しい。同じこと。

 

とりあえず、「生きたい」と思った時に生きれた方がいいから、身体は整えておこうと思う。