物語はその日のうちに

人間が人間として自然に生きることを考えています

宿泊研修で箱根の温泉宿に来た。部屋は狭いが、調度品は新しくてスタイリッシュ。景色が良いわけでもないけど、一応雪が積もっていて雰囲気は出てるし、時折鳥のさえずりなんかが聞こえたりして、こぢんまりくつろげる。

今西錦司の『生物の世界』を持ってきたので読んでいる。今、養老孟司福岡伸一が言ってることと、昭和15年今西錦司が言ってること、大して変わってない。大事なことは誰かが言い続けなきゃいけないのかもしれない。

時間の流れに沿って万物が流転しているというよりは、万物流転が先にあって時間が生まれていると考える方がしっくりくる。生命体(構造)と、その周囲の環境の境界は本来はっきりしていなくて、止めどなく相互に干渉しあい、入れ替わっているもの。そういうことをボーッと考えていると、皮膚感覚が研ぎ澄まされるような気がする。

人間の目に見えないだけの微細な世界で、今この瞬間も、色々なものが蠢いているんだ。