物語はその日のうちに

人間が人間として自然に生きることを考えています

稲見一良

カフカに続き、またツボに入る作家に出会った。カフカは前に読んだことあったので再発見って感じだったけど、稲見一良は新発見。完全に初めて読んだ。しかも人から薦められたのではなく、自分で本屋でおもしろそうだなぁと手に取ったので、独占欲も同時に満たされている。読んでいるのは『ダック・コール

ダック・コール (ハヤカワ文庫JA)

ダック・コール (ハヤカワ文庫JA)

自分や他人の話ばかりしている小説が多い中、稲見一良の小説には植物や動物がいろいろ出てくるし、人間とそれらとの関わり方が良い。舞台が"人間界"じゃなくて"自然界"。細かい描写もめちゃくちゃ良い。「○ページ○行目のここがたまらん!」と単語レベルでピンポイントに語れるような箇所が沢山ある。句点が多めの文体も好み。

まだ『ダック・コール』しか読んでないけど、他の作品からも同じ匂いを感じるので、図書館で一気に予約した。

ガンで助からないと分かってから50代で小説を書き始め、10年で亡くなってしまったというエピソードにもやられた。だから寡作で、すぐに全部読めてしまう。何冊か読んでみて、どんな風に自分の思いが変わっていくのか楽しみ。

名前の検索はしたけど、まだ顔写真は見てない。もっと自分の中で(こんな人かなぁ)とイメージが膨らんでから、顔は知りたい。